フリガナ(Phonetic プロパティ)
2015/08/26
Phonetic プロパティ
文字列(漢字など)をキーボードから入力した時の「読み」がフリガナの情報として記録されます。Phonetic プロパティは、その情報を取得することができます。
Phonetic プロパティ
object.Phonetic
引数・戻り値
- object ・・・ 対象となる Range オブジェクトを指定します。
キーボード入力したときの読みがフリガナの情報として登録されます。予測変換等で入力した場合、入力した分の読みのみがフリガナとして登録されるので注意してください。例えば、「おだの」と入力した時に、変換候補に「織田信長」が表示されそれを選択して入力した場合の「織田信長」のフリガナは、「おだの」になってしまいます。
キーボード以外から漢字を入力(ブラウザなど他のソフトからコピーしたものをペーストしたり、マクロ(VBA)から入力)した場合、その漢字自体がフリガナとしてに登録されます。
キーボード入力、コピーアンドペーストにかかわらず、アルファベットを入力した場合は、アルファベットがそのままフリガナとして登録されます。ひらがなやカタカナの場合は、いずれもカタカナで登録されます。(フリガナは、カタカナが標準です。フリガナの種類を変更するには、CharacterType プロパティを使用します。)
Phonetic オブジェクトの主なプロパティ
Phonetic.Alignment プロパティ
フリガナの位置を表す値を取得または設定します。
<取得>
Phonetic.Alignment
<設定>
Phonetic.Alignment = const
引数・戻り値
- const ・・・ セルに表示するフリガナの位置を表す XlPhoneticAlignment 列挙型の定数を指定します。
定数 値 内容 xlPhoneticAlignNoControl 0 Excel が配置を制御 xlPhoneticAlignLeft 1 左揃え xlPhoneticAlignCenter 2 中央揃え xlPhoneticAlignDistributed 3 均等割り付け
ひらがな、カタカナ、アルファベットは、Visible プロパティを True にしても表示されません。表示したい場合は、Alignment プロパティに、xlPhoneticAlignNoControl を指定します。
Phonetic.Text プロパティ
フリガナの取得・設定を行います。文字列型(String)の値を使用します。
<取得>
Phonetic.Text
<設定>
Phonetic.Text = string
引数・戻り値
- string ・・・ フリガナを「ひらがな」「カナカナ」で、設定します。(漢字・アルファベットを指定するとその漢字・アルファベットが、そのままフリガナの情報として登録されます。)
Phonetic.Visible プロパティ
セルに、フリガナをを表示するかどうかを表すブール型(Boolean)の値を設定します。値の取得および設定が可能です。
<取得>
Phonetic.Visible
<設定>
Phonetic.Visible = boolean
引数・戻り値
- boolean ・・・ セルにフリガナを表示するには、True を、表示しない場合は、False を指定します。
Phonetic.Font プロパティ
セルに表示されるフリガナに設定されているフォントを表す Font オブジェクトを返します。
Phonetic.Font
セルのフリガナのフォントの取得・設定
【フォント取得例】
msgbox Range(“A1”).Phonetic.Font.Name
【フォント設定例】
Range(“A1”).Phonetic.Font.Name = “メイリオ”
Font プロパティについての詳細は、フォントの設定(Font プロパティ) を参照してください。
Phonetic.CharacterType プロパティ
セルに表示するフリガナの種類を設定します。値の取得および設定が可能です。
指定できるフリガナの種類は、「ひらがな」「カタカナ」「半角カタカナ」「無変換」の4種類です。
<取得>
Phonetic.CharacterType
<設定>
Phonetic.CharacterType = const
引数・戻り値
- const ・・・ セルに表示するフリガナの種類を表す XlPhoneticCharacterType 列挙型の定数を指定します。
定数 値 内容 xlKatakanaHalf 0 半角カタカナ xlKatakana 1 カタカナ xlHiragana 2 ひらがな xlNoConversion 3 無変換
フリガナ(Phonetic プロパティ) 使用例
サンプルVBAソース
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 |
Sub Sample_Phonetic1() 'セル「B1」~「G1」には、名前を手入力 'セル「H1」~「J1」には、名前を マクロを使って入力 Range("H1:J1") = Array("田中美麗", "千原せいじ", "津田寛治") 'フリガナを表示する Range("B1:J1").Phonetic.Visible = True 'フォントを設定する Range("B1:C1,G1,J1").Phonetic.Font.Name = "AR PPOP4B" Range("D1,H1:I1").Phonetic.Font.Name = "MS Pゴシック" Range("E1:F1").Phonetic.Font.Name = "HGP創英角ポップ体" 'フリガナの種類を設定する Range("B1:C1").Phonetic.CharacterType = xlKatakanaHalf '0:半角カナ Range("D1:E1").Phonetic.CharacterType = xlKatakana '1:カタカナ Range("F1:J1").Phonetic.CharacterType = xlHiragana '2:ひらがな 'フリガナを設定する Range("H1").Phonetic.Text = "タナカミレイ" Range("I1").Phonetic.Text = "チハラセイジ" Dim i i = 2 Do While Cells(1, i) <> "" 'フリガナ Cells(2, i) = Cells(1, i).Phonetic.Text 'フォント名 Cells(3, i) = Cells(1, i).Phonetic.Font.Name 'テキストの種類 '0:半角カナ、1:カタカナ、2:ひらがな、3:無変換 Cells(4, i) = Cells(1, i).Phonetic.CharacterType i = i + 1 Loop 'セル「B3:J3」を縮小して全体を表示する Range("B1:J3").ShrinkToFit = True End Sub |
実行結果
サンプルVBAソース実行前
実行後
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